根津美術館
日本 東京都 港区
隈研吾建築都市設計事務所
東京を代表するファッションストリートの表参道のつき当たりに、通りの喧騒とは隔絶された、瓦の大屋根に守られた静寂の空間を作ろうと考えた。大きく張り出した庇の下を、竹林を脇に眺めながら、約50m歩くことによって、日常のあわただしいリズムから、アートと向かい合う静謡な気分へと転換するような、茶室の露地のようなシークエンスをデザインした。瓦の大屋根の勾配が室内のあらゆる空間から感じられるような断面計画とし、ハコになりがちな現代の多くのミュージアムとは異なる「家」のような空間で、アートと人が語りあう関係を目指した。
建物がバリアの役割をして喧騒から守られている日本庭園に面しては、全面ガラス貼りとし、サッシかと見まがうような細い、無垢の鉄製の柱を用いて、内と外の境界を消し去り、日本庭園の中で、アートと向かい合う、他の閉鎖的な美術館にはない静かでありながら開かれた空間が生まれた。
建物がバリアの役割をして喧騒から守られている日本庭園に面しては、全面ガラス貼りとし、サッシかと見まがうような細い、無垢の鉄製の柱を用いて、内と外の境界を消し去り、日本庭園の中で、アートと向かい合う、他の閉鎖的な美術館にはない静かでありながら開かれた空間が生まれた。