豊島区役所の上に、高層集合住宅を載せ、その2つを、「エコヴェール」と名付けた環境調整パネルで覆うことで、暖かくてヒューマンな表情を持つ、高層複合ビルを作った。
エコヴェールと区役所の間に、立体的につながる屋上庭園を設け、そこにこの地域の里山の風景と自然が再現され、メダカの泳ぐ小川も再生されて、地元の子供達の自然学習と遊びの場となった。
太陽光パネルやルーバーパネルなどをモザイク状に組み合わせた、環境調節機能を持つエコヴェールを、地面に向かって斜めに設置することによって、「ゲタバキ型」、「墓石型」などと呼ばれてきた従来の複合型高層ビルとは異なる形で、大地とタワーをやさしく接合した。この区役所をひとつの起点として、池袋駅東口エリアに新しい文化コリドーが生まれ、治安の悪いイメージがあった池袋が、ハイアートからローアートまでをカバーする、新たな文化ゾーンとして再生しつつある。