1970年代に建設された新潮社の本の倉庫に、地域とつなぐための木の大階段を付加し、さまざまなイベントが可能なコミュニティに開かれた複合施設へと転換した。木製の大階段は、坂の街、神楽坂の複雑な地盤レベルを解消するためだけではなく、それ自体が野外劇場としても機能して、イベント、パフォーマンスの場所として利用される。
旧倉庫の一階部分をすべてガラス貼りとすることで、開放的な雰囲気を創造して、街と建築を一体化し、それ以外の部分には極力手を入れず、倉庫建築の即物的な魅力を生かした。中に使われていた木製本棚も保存し、本棚の持っている独特の暖かさを、未来に伝えようとした。