JPタワー KITTE

隈研吾建築都市設計事務所
© KITTE
モダニズム建築の機能主義と、日本の伝統建築の繊細な感性を組み合わせたことで知られる、建築家吉田鉄郎(1894-1956)のデザインによる《東京中央郵便局》(1933)の、内装リノベーション。吉田による既存棟と新築棟の間にアトリウム空間を創造し、そのスケルトンの美を、可能な限りアトリウムから感じられるデザインとした。
アトリウムの中央の、かつて中央郵便局の柱が立っていた部分には、金属ビーズを用いた細い線を用いて、八角形断面の柱を再現し、吉田独特の線の美しさを再現した。虚と実の中間的な表現で、透明性を損なうことなく、過去を再生した。新築棟側のガラス手摺には、細いストライプのミラー加工を施して、現在と過去とが透かし合い、反射しあう、非現実的な関係を創造した。
設計:隈研吾建築都市設計事務所、三菱地所設計
構造・設備:三菱地所設計
施工:清水建設