梼原 木橋ミュージアム

日本 高知県 高岡郡梼原町
隈研吾建築都市設計事務所
© Takumi Ota
梼原町の《雲の上のホテル》(1994)と温泉施設とをつなぐ、木製の橋。四万十川源流の町、梼原に伝わる木の橋の伝統を、新しい木造技術を用いて、現代に蘇らせた。
中央を鉄骨と木を組み合わせて作った支柱で支え、アジアの木造建築の基本的技術である斗棋(ときょう)のシステムを用いて、その支柱から梁を持ち出し、大スパンの橋を支えた。地元の集成材工場で製作可能な梁セイ30cmの杉の中型断面の集成材を組み合わせることで、峡谷の景観にマッチする、粒子が集合したような木橋ができあがった。
木の耐久性を高めるために橋の上に屋根を架けることで、通行だけでなく、展示やイベントにも使える複合機能の橋となった。橋の一部には、宿泊可能なゲストルームが隠されている。
設計:隈研吾建築都市設計事務所
構造:中田捷夫研究室研究室
設備:シグマ設備設計室
施工:四万川総合建設