浅草文化観光センター

© Takeshi YAMAGISHI
江戸の風情の残る浅草寺雷門の前に、7つの「家」が積み重なったような形状の、複合型文化施設をデザインした。長屋根の木造低層建築が連なっていたヒューマンな江戸の街並みを、庇による分節と木のルーバーを用いたファサードによって、現代に復活させようと試みた。
木造の平屋の断面形状が各階で繰り返され、突き出した庇、勾配天井とによって、通常の中高層建築とは対照的な、ヒューマンな空間が各階に生まれた。庇やルーバーは、建物の環境負荷の低減にも寄与し、勾配屋根型の断面を持つ天井によって、伸びやかでゆとりの感じられる空間が各階で生まれた。箱型のペンシルビルにしかならない下町の中層建築の、新しい解法を追究した。
設計:隈研吾建築都市設計事務所
構造:牧野構造計画
設備:環境エンジニアリング
施工:フジタ・大雄特定建設工事共同企業体